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七 神は大水で悪人を罰せられた



 カインが弟のアベルを殺してから、長い年月がたちました。その間に、多くの人の考えはすっかり悪いほうに傾いて、この世の中は罪でいっぱいになりました。そこで神さまは、「人間を滅ぼしてしまおう」と思われました。

 しかし悪い人間の中にただ一人、ノアという正しい人がいました。そこで、神さまはノアに言われました。 「私はこの地上に大水を出して、生きものを全部滅ぼしてしまおうと思う。それでおまえは、木で箱船を造りなさい。そうしたら、家族を連れてその中に入り、地上の動物ひとつがいづつと、おまえたちと動物に必要な食べものを、運びいれておきなさい。」

 ノアはさっそく、神さまから言われたとおりに箱舟を造りはじめましたが、そのかたわら、人々にも改心するように熱心にすすめました。けれども、だれも本気にせず、それまでのように罪の生活を続けていました。



 そうこうしているうちに、箱舟は出来上がり、神さまはノアに「家族をつれて箱舟に入りなさい。動物もつれてゆきなさい」と言われたので、ノアはいそいでそのとおりにしました。するとたちまち、地からは水が吹き出し、空からは激しい大雨が降り出して、四十日四十夜も続きました。水かさは見る見るうちに増していって、一番高い山の頂上までおおってしまったので、地上の生きものはみな、人間も動物も虫も、空の鳥までも、残らず死んでしまって、ただ、ノアの箱舟にのっていたものだけが助かりました。

 やがて恐ろしい大雨もやみ、青空に太陽が輝き、さしもの大水もだんだんひいて、そこここに乾いた土が見えるようになってきました。神さまはノアに、箱舟を出るように言われました。ノアは喜んで、家族やいっしょにのせていた動物を連れて、箱舟を出ました。それからそこに石の祭壇を築き、いけにえを献げて神さまにお礼を言いました。


一 このように神さまが大水をお出しになったのは、人間の
姦淫の罪を罰するためでした。ですから私たちは、この罪を心からきらわなければなりません。汚い心の起こらないように気をつけなさい。そのためには、目を慎しみなさい。そして悪い友だちには近づかないようにしなさい。


二 天主の第六戒に、「
なんじ姦淫するなかれ」とあります。


三 神さまは何をお望みになりますか?

 
神さまは、よいことだけをお望みになります。そして悪いことを、非常におきらいになります。このように、神さまはよいことばかりをお望みになり、少しでも悪いことはすべておきらいになるので、「至聖なおかた」であるといいます。


四 私たちがよいことをすれば、神さまはどうなさいますか?

 
私たちがよいことをすれば、神さまはきっとそれだけの報いをくださいます。



五 私たちが悪いことをすれば、神さまはどうなさいますか?

 
私たちが悪いことをすれば、神さまはきっとそれだけの罰をくだされます。

このように、神さまは、よいことに必ず報い、悪いことを必ず罰することを、神の「
正義」と言います。


六 きたない思いが起こったなら、聖母マリアさまに、「
マリアさま、どうぞお助けください」と一心に祈りなさい。また、守護の天使にも、「私を守ってください」と祈りなさい。そうして、そういうきたない思いをおさえるために、すぐ、なにかほかのことを考えるがよろしい。


 
神さまはどれほど尊い、慈悲深いお方か


 いままでお話したように、大昔からの人間の歴史をよく見ますと、神さまはどんなおかたであるかということが、はっきりわかります。それをつぎにならべてみましょう。


一 神さまはいつでもいらっしゃいました。そしていつまでもいらっしゃいます。  このことを神の「
永遠」といいます。


二 神さまは、ご自分のお望みのままに、なんでもお出来になります。神さまのできないことはありません。このことを、神の「
全能」といいます。


三 神さまは私たち人間を深く愛してくださいます。よいことはみな、神さまのくださったものです。このことを神の「
全善」といいます。


四 神さまはどこにでもいらっしゃいます。神さまがおられないという所は、どこにもありません。このことを、神の「
遍在」といいます。


五 神さまはなんでも知っていらっしゃいます。神さまの知らないことは一つもありません。私たちの心の底まで、私以上に知っていらっしゃいます。このことを、神の「
全知」といいます。


六 神さまはよいことだけを好まれ、少しでも悪いことは、すべておきらいになります。このことを、神の「
至聖」といいます。


七 神さまは、よいことをした人には必ずそれに応じた報いをくださり、また、悪いことをした人には、必ずそれに応じた罰を与えられます。このことを、神の「
正義」といいます。


八 神さまはすべての人の罪を赦してくださいます。それを、神の「
哀れみ」といいます。


九 このように、神さまは、「
永遠」「全能」「全善」「普遍」「全知」「至聖」「正義」で、そのうえだれよりも「哀れみ深い」おかたです。



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